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2012年8月 3日 (金)

Vol.5 トレーナー留学:櫻井 剛之さん

Taka_sakurai茨城・土浦第二高 → 米デラウェア大学 → 米インディアナ州立大学大学院 → MLBフィラデルフィア・フィリーズマイナーリーグ

高校卒業後、スポーツ医学の最先端であるアメリカへトレーナー留学。大学でNATA公認のアスレチックトレーナーとNSCA公認ストレングス&コンディショニングスペシャリストの資格を取得後、幅広い知識を学ぶため大学院へ進学。2008年よりMLBフィラデルフィア・フィリーズ傘下マイナーチームにてアスレティックトレーナーとして活躍中。




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大好きなスポーツに関わる仕事がしたいという思いから始まり、壁を越えてメジャーリーグでの仕事をつかんだ櫻井さん。いつも状況を冷静に判断し進んできたプロトレーナーへの経緯をお聞きしました。

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スポーツに関わる仕事を目指して

もともと野球だけなくスポーツが大好きだったので、ストレングスコーチになりたいと思ったのが高校2年生の秋でした。最初は日本の大学に進むつもりでしたが、スポーツ医学の最先端であるアメリカには日本より多くの選択肢があることを知り、アメリカへ留学する道もあると考えたのがきっかけです。渡米後は約1年間、語学学校に通ったものの、大学に入ってからしばらくは英語で苦労をしました。しかし、日本語クラスで知り合ったアメリカ人の友達ができたことから、生活と言葉が激変。彼がいろいろな所に連れ出してくれたおかげで友達が増え、授業では習わないようなネィティブの英語も話せるようになりました。彼とは今でも付き合いがありますが、とても感謝しています。

E ピンチはチャンス

学校が始まってみると、自分のやりたい選手のパフォーマンス向上と体力強化がメインのストレングスコーチの勉強とは違い、選手のケガの予防とリハビリトレーニングがメインのアスレティックトレーナーの勉強ばかりでした。やりたいことが勉強できると思って入った学部だったのに何かが違うと思いアドバイザーに相談すると、このまま勉強を続ければストレングスコーチの資格が取れるとのこと。そして何より私自身もアスレティックトレーナーの勉強がおもしろいと感じるようになり、アスレティックトレーナーとしてプロ野球を目指してみようと思うようになりました。最初はこのような経緯でしたが、今ではアスレティックトレーナーが自分の仕事となっているのですから、何がきっかけになるか分からないものですね。


動き出したアスレティックトレーナー人生

多くの大学生は、在学中に学生トレーナーとしてプロ球団などの高いレベルでの実習経験を積みますが、私はそういった経験が積めないまま、四年制大学の卒業時期が近づいていました。まだアスレティックトレーナーとしての自信がなく、勉強よりもとにかく経験を積みたいという思いから大学院に進むことを決めました。最初の春学期が終わった時点で、メジャーリーグ全球団に履歴書を送りアプローチ。しかし、よい答えが返ってきた球団は1つもありませんでした。ただ時間だけが過ぎて行く中、なんとかして経験を積まなくてはと焦る気持ちで、ボランティアのような形で参加する無給のインターンシップに応募しました。すると、MLBフィラデルフィア・フィリーズから「インターンで来ていた人が辞めたので、今すぐにでも来てほしい」との連絡が!しかも、通常の報酬がある有給インターンです。本当にいいタイミングでチャンスをいただいたと、今でも思います。

Tak_sakurai_2メジャーリーグで働く感動

約半年間のマイナーリーグでのインターンはシーズン途中からの参加だったため、最初のスプリングキャンプからシーズンを通してやりたいという気持ちが強くなっていきました。球団へ相談をしたところ、大学院卒業後、1年目はコンディショニングトレーナー、2年目はアスレティックトレーナーの研修をする2年間のインターンプログラムに参加することができました。ここで学んだことを活かし、現在は、仕事としてフィリーズ・マイナーリーグのショートシーズンAでアスレティックトレーナーとして働いています。漠然とアメリカに行こうと思った高校生の頃、まさかメジャーリーグ球団で働くことになるとは思ってもいませんでした。まだ自分も成長の途中ですが、こうしてメジャーリーグで働くという目標を達成した感動は忘れてはいけないと思っています。

チャンスは自分でつかむもの

アメリカへ行く前は、メジャーリーグ球団で仕事をすることの難しさが分かっていなかったのですが、留学をしてみると、ただ勉強を頑張っていればできるというものではなく、自分から積極的にアプローチをしてネットワークを築いていかなければならないことを知りました。っ私も最初はアプローチの方法が分からず、メジャーリーグばかり目指していましたが、今は経験を積むなら、まずはマイナーリーグのほうが勉強になると感じています。どうせダメだろうとあきらめることなく挑戦し続けていれば、見逃しそうな小さなチャンスもつかめる時がやってくると思います。

Taka_sakurai_3最初の夢を叶えるために

アメリカに行こうと決意した時、日本のプロ野球で働くことが夢でした。その思いは今も変わっていません。アメリカでは少なくとも3年はアスレティックトレーナーとして働き、周りの人から学べることはできる限り学び5年後、10年後の自分に活かしたいと思っています。アメリカのプロチームは選手だけでなくサポートスタッフも厳しい世界なので、1日1日を大切に頑張っていきます。そして、次は日本で最初の夢を叶えます!



【取材・文】金木有香
【運営】ベースボールコミュニケーション(BBC)

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